東大寺図書館所蔵薬師院文庫史料調査

昭和五十三年十月二十一日より二十七日の間、昨年度よりの継続の東大寺図書館所蔵記録・聖教・経巻類の採訪として、今回は薬師院文庫史科の内、薬師院記録(ヤ/2/57)〜(ヤ/2/230)計一七四件二三一冊の調査・撮影を行った。薬師院は東大寺執行職を相承した子院であり、記録の中でも三綱所日記・執行所日記が量的に多くを占める。東大寺三綱所日記の内元禄四年より宝永七年までの間の十五冊は既に昨年度撮影し、今年は宝永八年より文久四年迄(若干の欠本はあるが、ほとんど年次を逐っている)の五十一冊を調査・撮影した。又東大寺執行所日記は、永享二年・永正二年より同七年分を含み、明暦四年より明治五年迄断続的ながら伝存しており、全て今年に調査・撮影を終了した。薬師院文庫史料の全貌については、調査・撮影の終了した時点で、一括して報告する予定である。尚今回の調査で採訪した古代・中世史料のみを左記に列挙する。

『東京大学史料編纂所報』第14号